不気味の谷の回覧板

谷の奥底から現役大学院生の囁きが聞こえる。苦悩と現状、勉強法、趣味etcをセルフ開示予定。

動物実験とかでみるクソコメ

「可哀想って言っている人は、肉も食べないし蚊も殺さないんだよね?」

動物実験とか、害獣駆除だとか公益のために動物の命を犠牲にするような動画がYouTube上に上がると、可哀想だ!という意見が必ずあがる一方で、必ずこう返してくる人がいます。 

あとはあれ、偽善者」とかですね。

 

僕は、この手の返しが本当にキライだ。

 

如何にも小学生が好きそうなセリフ。

何故こんな見当違いなことを言い出す人が後を絶たないのでしょうか。 

 

まさか大人の方でこんなコメントしている人は殆どいないとは思うのですが、本当に不愉快なので自分なりに考察してみます。

 

主に原因として考えられるものをまとめると、以下のようになりました。

 

  • 〝可哀想〟に対する共感、理解の不足。
  • 未知に対する身勝手な邪推。
  • 感情と行動の不分別

 

この三点です。

 

 

★〝可哀想〟に対する共感、理解の不足

一つの物事に対して抱く感情は人によってまちまちです。

例えば、あるインテリアを見て〝かっこいい〟と思う人もいるかもしれませんが、同じものを見て〝かわいい〟と思う人もいるかもしれません。

もしくは、〝ダサい〟〝気持ち悪い〟など、そもそも肯定的な感情を持たない人もいる可能性があります。

子供の時などはそういった価値観が衝突しがちで、意見が食い違うたびに

〝おまえの捉え方はおかしい〟

などと喧嘩になった経験のある人もいるのではないでしょうか。

ただ、大抵の人は成長するに従い、

〝自分はこう思うけれど、ああ思う人もいるんだ。〟

といった風に多様性を認め、共感のできない考え方を許容できるようになったはずです。

 

動画のクソコメではこの子供の喧嘩と同じで、

〝俺は可哀想とは思わない、これを可哀想と思うのはおかしい!〟

といった気持ちが根底にあるように思えるのです。

 

★未知に対する身勝手な邪推。

前述のとおり、〝可哀想〟といった感情に共感、理解できない人がいます。

感情に共感できないことは全く仕方のないことで、悪いことだと思いません。

ただ、理解しない、しようとしないことに問題があると考えています。

 

動画のクソコメの人は、恐らく

他人の感情が理解できず、

〝可哀想と思うのはおかしい!〟

という結論に達すると、

〝可哀想と思うのはおかしいので、きっと別の思惑があって発言しているに違いない〟

などと邪推を始めます。

自身の理解が追いつかない現状に直面すると、なんとか自分の納得できる理由をつけて認知の歪みを無理やり矯正しようとするのですね。

結果、

〝可哀想と発言してあたかも慈悲深いような振る舞いをすることで、この人は自分の株を上げようとしているに違いない〟

と決めつけ、偽善者、などどいい始め攻撃するのではないでしょうか。

 

★感情と行動の不分別。
 偽善者呼ばわりしたり、攻撃的な発言する原因は上記2点で説明できますが、

〝可哀想と思うなら肉を食うな〟

といった支離滅裂な発言の説明ができません。

これは、感情と行動の不分別で説明できると思います。

 

感情そのものの自体の発生は自力で抑制できるものではありません。

ですが、人間は自らの気持ちと向き合い、TPOをわきまえて発言や行動を抑制することができます。

腹が減れば美味そうだと思って同種を喰らい、気に入った異性がいれば欲望のままにに分別なく性行為を行う、など基本的な感情と行動が密接に結びついた単純な動物とは、一線を画しているのです。

そのため、

〝勉強は嫌だけど志望校合格のために努力する〟

とか、

〝好きなものを食べたいが、体型維持のため我慢する〟

などという、一見すると発生した感情と結果的に起きる行動が伴っていないような現象が日常的に起きるのだと思います。

 

当然、

〝可哀想という気持ちを押し殺し、公益のために害獣を駆除する〟

といったこともあるはずなのですが、原始的な欲求に基づいて行動しているためか、頭に血が上って正常な判断が出来なくなっているのか、動画でクソコメする人の中にはそういったところに考えが回らず単細胞生物のような目線で発言してしまうことがあるそうですね。

 

★最後に

ちなみに僕は、動物か好きなので傷つけるのも、傷つけるのを見るのもキライです。

現に蚊1匹であっても可能な限り外に逃がし、やむを得ないケースを除き、極力殺生のしないように日々心がけています。

しかしその一方で、やむ終えないケース、とあるように自己都合によって殺生せずに無力化できないと考えれば、可哀想だと思いながらも容赦なく殺処分しています。

それは、日常であれば蚊のような虫ですが、必要に迫られば無論、人間を含めた全ての生き物に対して言えることです。

食生活においても、正直これだけ物流が発展し、さまざまな調理法や食材が開発されてきた現代日本社会においてはビーガンとして植物由来の成分だけで充分な栄養をとり、健康的に生活することは不可能では無いと思います。ですが僕は食肉加工の為に屠殺される動物たちを憂慮しながらも、利便性やコスト、味の好みなどを天秤にかけ、肉を摂取しています。

基本的な感情と、その結果起こす行動のみかけの矛盾は、別段歪んで悪いものだとは思いません。

そこに至るまでの考えや苦悩があるならば、1人の人間に委ねられた選択の一つです。

自分の行いに自信を持って然るべきだと思います。

人間が高等生物たる所以の一つじゃないですか。

 

 

僕自体は基本的に動画にコメントはしませんが、素直に感情を表現した人が偽善者、などと言われたり、変な屁理屈で返されるのが非常に不愉快で、なんだかなあと思っていたのでついつい愚痴ってしまいました。すみません。

これらはあくまで自分の考えの一つです。